低体温と甲状腺の関係
“甲状腺”の役割とは?
“甲状腺”って単語、誰でも耳にしたことがあると思います。
しかし、具体的に身体のどの辺にあるかご存知ですか?
甲状腺とは、のどぼとけの骨よりやや下の方にある小さな臓器。
重さは20〜30g程度しかありません。
右と左に分かれており、
まるで羽を広げた蝶のような形で、真ん中でくっついています。
今、首の辺りを手で触って確認しました?(笑)。
甲状腺は、手で触ってみてもどこにあるのか分かりません。
主な機能は、「甲状腺ホルモンを分泌すること」。
甲状腺ホルモンは全身の代謝を活発にする働きを持ち、
体の各部の働きをスムーズにするために必要不可欠なホルモンです。
甲状腺ホルモンのバランスが崩れてしまうと、
次のような不具合が出てしまいます。
甲状腺ホルモンが多すぎる場合
- 身体を動かしていないのに、脈が速くなる(動悸)。
- 熱が上がったり、ちゃんと食べているのに体重が減ったりする。
- 発汗過多
甲状腺ホルモンが不足した場合
- ダルくて、身体がうまく動かない。
- 脈が遅くなる
- 低体温になる。
- 精神的にうつっぽくなる。
甲状腺の機能が低下すると…
体内の臓器を働かせるために必要不可欠な“甲状腺”ですが、
機能が増進し過ぎても低下し過ぎても健康に支障をきたします。
歌手の絢香さんが発症したことで知られる“バセドウ病”は、
甲状腺の機能が亢進する症状。
治療には長い時間を要します。
ところで、ここで注目したいのは、
甲状腺の機能が低下した場合の症状の一つである“低体温”。
近年は、平熱が36度以下という“低体温”の方が増えていますが、
甲状腺とどんな関係があるのでしょうか。
ポイントは、甲状腺から分泌されるホルモンが
身体の代謝のコントロールを行っているという点です。
甲状腺の機能が低下するとこのホルモンの分泌も低下するわけですから、
必然的に代謝も落ちてきますよね?
代謝が落ちるということは、
食べ物のエネルギーから熱を作りだす働きも低下するということ。
つまり、体温の調整がうまくできなくなってしまうということです。
低体温の症状の他、無気力感や皮膚の乾燥、
発汗の減少、むくみ、うつ症状…などの症状がみられるようだと、
甲状腺の機能が低下している可能性があります。
心当たりがある方は、一度専門医を受診してみましょう。
甲状腺機能Upで低体温を克服!
低体温は身体や心の免疫力を低下させ、
重篤な病気を発症するキッカケにもなり得ます。
普段の生活を改め、1日も早く改善することが好ましいのですが、
甲状腺機能低下に伴う低体温はちょっと事情が違ってきます。
甲状腺機能に明らかな異常が認められる場合、
素人治療では残念ながらどうにもならないので…。
甲状腺の機能異常が疑われる“低体温”の場合は、
何はさておき専門医を受診することをオススメします。
基本的な治療法は、不足している甲状腺のホルモン剤を内服すること。
普通は1日に1〜2錠程度、ホルモンの数値を見ながら薬を加減していきます。
ホルモンのバランスが整えば、
3ヶ月〜半年おきの血液検査+内服で
気長に治療していくというケースが多いようですね。
数カ月間の治療で完治する人もいますが、
多くの場合は数年〜一生薬を続けなければならないよう。
甲状腺の治療には根気が必要です。
「低体温を治すために色々やってみたけど、全く効果がない」という方は、
素人判断をせずに詳しい検査を受けましょう。